こんにちは、共働き子育て真っ最中のサラリーマン・けんいちです。
「住宅ローン控除、毎年ちゃんと使い切れてる?」
じつは年収が高くない家庭だと、住宅ローン控除の額が所得税を上回って「余り」が出ることがあります。この余りは通常そのまま消えてしまうのですが、投資で売却益がある方なら、確定申告をうまく使うことで、特定口座から引かれた税金を取り戻せる可能性があります。
今回は我が家でも実際に試したこの節税テクを、わかりやすく解説します。
住宅ローン控除の「余り」問題とは?
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末ローン残高の0.7%が所得税から直接差し引かれる制度です。たとえばローン残高が3,000万円なら最大21万円が税金から戻ります。
ところが所得税額そのものが少ない場合、控除しきれない分が生まれます。たとえばこんなケースです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 住宅ローン控除額(年末残高3,000万円×0.7%) | 21万円 |
| 年収500万円のサラリーマンの所得税額(目安) | 約12万円 |
| 住民税への振替(上限9.75万円) | 9万円 |
| 控除しきれない「余り」 | 約0〜数万円 |
住民税への振替は上限9.75万円(令和4年度以降)と決まっているため、それでも吸収できなかった分はそのまま消えてしまいます。
でも、ちょっと待ってください。投資で利益が出ていれば話は変わります。
特定口座(源泉徴収あり)の税金の仕組みをおさらい
証券口座の「特定口座(源泉徴収あり)」で株や投資信託を売却して利益が出ると、証券会社が自動的に20.315%(所得税15.315%+住民税5%)を差し引いてくれます。
確定申告不要で便利な反面、この税金は原則そのまま確定します。
しかし、確定申告で「申告分離課税」としてこの売却益を申告すると、所得税の部分(15.315%)に対して住宅ローン控除の余りを当てられるのです。
仕組みをシミュレーションで確認
具体的な数字で見てみましょう。
前提条件
- 給与収入:年500万円(1人分)
- 給与所得に対する所得税:約12万円
- 住宅ローン控除額:21万円
- 特定口座の売却益:50万円(すでに源泉徴収済み)
確定申告をしない場合
- 給与の所得税12万円 → 住宅ローン控除で12万円還付
- 住宅ローン控除の残り9万円 → 住民税から控除(最大9.75万円まで)
- 売却益50万円の税金(所得税分)7.7万円 → そのまま徴収されたまま
確定申告をした場合(申告分離課税)
- 給与+売却益を合算して申告
- 売却益50万円の所得税分:7.7万円(源泉徴収済み)
- 給与の所得税12万円+売却益の所得税7.7万円=合計19.7万円
- 住宅ローン控除21万円を適用 → 19.7万円全額が還付
- うち給与分12万円は年末調整で還付済みなので、追加で7.7万円が戻ってくる
つまり、特定口座から引かれていた売却益への所得税7.7万円がそっくり戻る計算になります。
⚠️ 必ず確認!住民税への影響(2023年以降の重要変更)
ここが最大の注意点です。2023年(令和5年分)以降、投資所得を確定申告に含めると、住民税にも自動的に反映されます。
以前は「住民税申告不要制度」を使って、国税だけ申告して住民税には反映させないことができました。しかしこの制度は令和4年度改正で廃止されました。
確定申告で売却益を申告すると、住民税の計算に売却益が加わります。これによって次のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 翌年の住民税額が上がる(ただし投資所得の住民税5%はすでに源泉徴収済みなので二重徴収にはならない)
- 所得に連動する各種給付・サービスに影響が出る場合がある(児童手当・保育料の算定基準など)
- 国民健康保険加入者(自営業・フリーランス)は保険料が増える可能性がある
会社員の場合、住民税の投資分(5%)はすでに源泉徴収されているので追加負担は基本的にありませんが、所得ベースで判定される各種手続きへの影響は事前に確認しておきましょう。
この方法が有効なのはこんな方
- 住宅ローン控除の額が所得税を上回っている(余りが出ている)
- 特定口座(源泉徴収あり)で売却益が出た年がある
- 住民税ベースの給付・サービスへの影響が少ない(会社員世帯など)
- NISAの非課税枠を使い切った後の課税口座で投資をしている
逆に、住宅ローン控除を所得税で使い切っている方(年収が高い方)や、NISAのみで投資している方にはこの手法は関係ありません。
⚠️ ふるさと納税をワンストップ特例でやっている方は要注意!
この節税テクで確定申告をしようとしている方に、見落としがちな重大な注意点があります。
ふるさと納税のワンストップ特例は、確定申告をした瞬間に自動的に無効になります。
ワンストップ特例とは本来「確定申告が不要な給与所得者」向けの制度です。確定申告をすると「確定申告が不要な人ではなくなる」ため、特例の適用条件を満たさなくなります。
確定申告の書類にふるさと納税(寄附金控除)を記載し忘れると、住民税からの控除が消えてしまい、本来受けられるはずだったふるさと納税の恩恵がゼロになります。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| ふるさと納税をワンストップ特例で申請済み | 確定申告書に寄附金控除として記載し直す(自治体への手続き不要) |
| ふるさと納税の寄附金受領証明書 | 手元に保管・確定申告時に必要 |
| 記載漏れのまま申告した場合 | ふるさと納税の住民税控除が消える |
確定申告書を作る際は、ふるさと納税の「寄附金受領証明書」を必ず手元に用意して、寄附金控除欄に記入するようにしてください。
確定申告の手順(概要)
- 証券会社から「年間取引報告書」を入手(1〜2月頃に送付または電子交付)
- e-Taxまたは税務署で確定申告書を作成
- 「株式等の譲渡所得」欄に売却益を入力(申告分離課税を選択)
- 住宅借入金等特別控除額を入力
- 計算結果を確認 → 還付額がプラスなら申告する価値あり
- 3月15日までに提出
e-Taxなら自宅から完結できます。「確定申告書等作成コーナー」で数字を入力していくと自動計算されるので、難しくはありません。
我が家の実際
我が家は共働きで住宅ローンを組んでいます。所得税額が住宅ローン控除額を下回る年があり、控除が余りがちでした。一方で特定口座(旧NISA枠超え分)に売却益が発生した年があり、確定申告してみたところ約13万円の追加還付を受けることができました。
「どうせ申告しても変わらないだろう」と思っていたのですが、やってみると意外と戻ってくるものです。住宅ローン控除の余りを「眠らせている」方はぜひ一度試算してみてください。
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まとめ
- 住宅ローン控除が「余っている」家庭は、特定口座の売却益の税金を取り戻せる可能性がある
- 確定申告で売却益を申告分離課税として申告することで、余った住宅ローン控除を充当できる
- 2023年以降は住民税への自動反映があるため、所得連動の給付への影響を事前確認すること
- ふるさと納税をワンストップ特例で申請中の方は、確定申告するとワンストップ特例が無効になるため、寄附金控除として確定申告書に記載し直すこと
- 年収が低めの共働き世帯は見落としやすいので、一度試算してみる価値あり
年収が低いと控除が「もったいない」と思いがちですが、投資と組み合わせることで有効活用できます。NISAを使い切っている方で課税口座での投資もしている場合は、ぜひ一度試算してみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。詳細は税理士や税務署にご相談ください。

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