2024年に新NISAを始めてから、毎月15万円の積立を続けてきた。配分は今年からS&P500一本に絞っている。でも最近、ふと思う。
「このまま続けて本当にいいのか。高配当株って選択肢もあるんじゃ…」
妻との家計相談でも「配当金で生活できたら…」という話が出る。子供はまだ小学生と幼稚園児で、これから教育費は増えていく一方だからこそ、今のうちに資産形成の方針を見直しておきたいと感じた。
そこで、実際に高配当株とS&P500を比較してみた。
全世界株式でもカラーが大きく違う:オルカン vs オルカン高配当
意外かもしれないが、「全世界に投資する」という点では同じでも、投資先のカラーが全然違う商品がある。
オルカン(全世界株式)とオルカン高配当(全世界株式高配当)がその例だ。
| 指標 | オルカン | オルカン高配当 |
|---|---|---|
| 銘柄数 | 2,460社 | 713社 |
| 配当利回り | 1.59% | 3.27% |
| 上位企業 | アップル、エヌビディア、マイクロソフト(ハイテク集中) | エクソンモービル、J&J、シェブロン(バリュー・エネルギー中心) |
過去10年のリターンを見ると、オルカンが13.12%に対してオルカン高配当は10.31%。ハイテク株が強い直近10年ではオルカンの圧倒的勝利だ。
でもここからが面白い。
過去30年強で見ると、オルカン高配当が約10%でオルカンの約9%を上回ってしまう。つまり「高配当銘柄に絞ると成績が良い」とは限らず、むしろ市場全体に投資した方が結果として良いということだ。
高配当投資が向いている人は?
では高配当株はダメなのか。そうではない。高配当投資が向いている人は、次の3つに当てはまる人だ。
①配当金を定期的に受け取りたい人
インデックス投資は複利の力が強いが、受け取らないので実感が薄い。配当金という「現金収入」を得ることで、投資への実感が湧く人もいる。
②インデックスを売却することに心理的抵抗がある人
つまり「節約癖が強すぎて、作った資産を使えない体質」の人。強制的に配当を受け取った方が、むしろ人生を楽しめるという発想だ。
③AIバブルが弾けるリスクに備える人
現在のハイテク集中(アップル・エヌビディア・マイクロソフトで1/4超)は、市場崩壊時の激落ちリスクがある。バリュー株比率を高めておくことで、極端な暴落に備える発想。
日本株の高配当は枯れつつある
一方、日本株の高配当株の状況は厳しい。
2026年8月時点で、配当利回りが高い日本株は731社だ。前月比で79社も減少している。つまり、「割安で配当も出している」という魅力的な銘柄が、どんどん減っているということだ。
だからこそ、高配当株を選ぶなら「スクリーニング条件を明確にする」ことが重要になる。
高配当株の選び方:2つのアプローチ
アプローチ①:財務指標で絞る方法
証券会社のスクリーニングツールで、数値条件を設定する方法だ。
- 配当利回り:3.75%以上
- ROE(自己資本利益率):10%以上
- 自己資本比率:50%以上
- 流動比率:200%以上
- 当座比率:100%以上
この条件で絞り込むと、2023年時点で75銘柄がヒットした。
この方法の良さは「客観的な数値で判断できる」こと。毎月スクリーナーを更新して、条件を満たす銘柄をチェックしておけば、投資チャンスを見落とさない。
アプローチ②:配当継続年数で絞る方法
一方、「利回りの高さ」より「減配していない年数の長さ」を重視する方法もある。
1,413社の高配当株を、こういった厳しい条件で絞り込んでいくと…
- 配当を一度も減らしていない(復配以降10年以上)
- 今期も減配予想でない
- 配当性向70%以下
- 3期平均フリーキャッシュフロー(FCF)カバー率1.0倍以上
- 自己資本比率40%以上
- 時価総額100億円以上
- 今期増収・3年営業利益成長プラス
- 予想利回りが10年国債利回りを上回る
- 業種を1業種3社までに分散(銀行業は対象外)
最終的に10社にまで絞り込まれる。脱落率99.3%だ。
「年数の長さ」を基軸に置く発想は、財務指標よりも「生き残ってきた実績」を重視する考え方。減配していない企業は、景気変動の中でも経営基盤を守り続けた企業という証だ。
米国高配当株も利回りが低下中
高配当といえば、米国株も候補に挙がる。VYM、HDV、SPYD といった米国高配当ETFが有名だ。
ただし、ここ数年で米国株の値上がりが進み、利回りは過去平均より低下している。つまり「今は米国高配当株の割安感がない」という状況だ。
逆に日本株の高配当は、相対的に4~5%の利回りが無理なく狙える状況にある。2026年8月時点で日本株が年初来+20%を超える絶好調だから、むしろ「今こそ日本株の高配当を検討する価値がある」という見方もできる。
結論:40代は「選択肢が増える」段階
結局のところ、40代はS&P500一本か、高配当株か、両者の混合か、どれを選ぶか。
答えは「40代だからこそ、選択肢がある」ということだ。
新NISAを始めたばかりの20代なら、迷わずS&P500の複利を20年30年かけて育てるべき。だけど46歳なら、老後資金を作る手段は複数ある。
- 全量S&P500を続ける:複利と時間が味方になり、20年で2倍~3倍に成長
- 一部高配当に乗り換える:配当金を家計に回しながら、心理的な満足感を得る
- S&P500+高配当の併用:新規入金は高配当、既存のS&P500は継続(バランス型)
うちの場合は、当面「S&P500月15万+妻の年金見込み額待ち」で判断を棚上げしている(参考:配当金の税金、我が家はどれが得?で税金面も試算済み)。でも親の介護費、自分たちの医療費が増える50代に向けて、今から「配当金というオプション」を持っておくのは悪くない選択肢だと思う。
高配当株を選ぶなら、この記事で紹介した2つのスクリーニング方法を試してみて、自分たちにとって「心が落ち着く銘柄」を見つけることが、結局は最善の投資判断になるんじゃないかな。
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